unreal arimura you - 非実在有村悠 -

オタク・サブカル系の書評やレビュー、ハウツー記事など。

初音ミク -Project DIVA- プレミアムフィギュア-extend- セガプライズ

 10月8日に催された同人誌即売会『Girls Love Festival 8』の前日、紙幣を崩して釣銭を作るため立ち寄った秋葉原のゲームセンター(注:ちゃんと銀行で平日に両替しましょう)で、わずか600円で入手。

 Amazonだと10月25日現在1,350円で出品されており、レビューでも1,000円でゲットした人から、3,500円突っこんでも取れなかったので通販で買ったという人まで様々。オークションでは2,000円前後で取引されているというから、ぼくはかなり運がよかったことになる。

 調べたところ、低価格帯のリアル頭身フィギュアとしてはこれが最新モデルらしい。11月末にははるかに精緻な造りのRACINGミクが7,000円程度で発売されるようだが、元々フィギュアに関しては物欲が薄いほうなので(なにしろ置き場所がない)、ぼくにはこれで十分である。では、全身くまなくねめ回すようにチェックしていこう。

 まず顔。KEIの特徴的な瞳をアニメ調のくっきりした塗り分けで再現・プリントしているため、見ようによっては瞳孔が開ききっているようでもあるが、十分に可愛らしいといえる範疇。

 顔全体の造形に関しても、最近流行の“ちょん”とした鼻や前歯を見せる笑みを違和感なく立体化できている。斜め下からアオリで見ると、湖川友謙が作画監督を務めた回の『メダロット』を髣髴とさせるような、破綻の少ない出来映え。逆説的に、湖川の立体感覚がデフォルメの利いたキャラにおいてもどれだけ優れていたかを実感させられる。

 髪はややマットな質感かつ大雑把な造りで、こればかりはクリアパーツなどを用いた高価格帯フィギュアに劣るが、後ろ髪の分け目などがきっちり再現されているあたりは好印象。髪飾りやヘッドフォンもけっこう細かく塗り分けられていて、上手い人がやればこれを200円で手に入れられるのかと思うと、むしろ贅沢に感じるほどだ。

 身体に移ろう。襟や肩回り、裾のヒラヒラは細部に至るまでよく作りこまれている。いつも思うが、ミクの大きく露出した肩や脇は実にエロい。以前クリプトン社の佐々木氏にインタビューした(諸般の事情から未公開)際、「脇の匂いがするようなキャラクターデザインを目指した」と仰っていたように記憶している。

 そして胸。胸……うん、なんかかなり顕著に先端が尖り気味なんですが何かあったんですか。ミクは貧乳が売りだった気がするが……まあ、いい。シャツの皺は、メタリックな質感とあいまってかなりリアル。絵描きの練習台にはもってこいだろう。スカートにも細かい電飾模様がペインティングされており、デザイナーの意気ごみを感じる。

 そして手足。手の爪ひとつひとつに緑色のマニキュアが塗られているのは驚いた。ここまで細かいとは。顔の横に添えている右手は中指と薬指をくっつけた状態で広げているという、これまた芸の細かい表現。アームカバーのYAMAHA DX-7を模したペインティングもくっきりと再現されており、ただただ感心する次第である。また、ブーツと一体化したオーバーニーソックスの上端はわずかに太ももの肉に食いこんでおり、なんとも生々しい。

 そして最後に、肝心要の部位――そう、パンツである。金田伊功の描く女の子のようにお尻を突きだし気味なポージングのおかげで、後ろから見るとパンツ丸見え状態なのだ。

 これがまた、ちゃんと皺やクロッチの縫い目が入っていたりと無駄に細かく、ぼかぁもう情熱をもてあますよ。ひっくり返してよーく覗きこんでみると、前に緑色のリボンが付いているのもわかるし。いやあ、眼福、眼福。

 というわけで、初音ミクのパンツ鑑賞代に600円は破格の値段である。皆さんもパンツ目指してレッツ・チャレンジ。