unreal arimura you - 非実在有村悠 -

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『Aチャンネル』(黒田bb まんがタイムきららコミックス)の「A」って何なんだ?

Aチャンネル (1) (まんがタイムKRコミックス)

Aチャンネル (1) (まんがタイムKRコミックス)

 萌え4コマというものをぼくはほとんど読まないのだが(なんだかすぐ読めてしまってもったいない)、例外的に『あずまんが大王』とこの『Aチャンネル』だけは愛読している。一昨年にはアニメ化もされ、それなりに好評を博した。

 主な登場人物は4人。天然ボケの極致ともいうべきるんと、彼女のことを大好きな一学年下の幼なじみ・トオル。そして、大阪からやってきたスタイル抜群だけど気弱なユー子と、突っ込み体質のメガネ少女・ナギである。彼女たちの他愛ない日常が延々と描かれるのは、まあ萌え4コマのフォーマット(なのだろう、よく知らん)なんだが、キャラのリアクションがいちいち可愛いのだこれが。

 トオルは小学生並みの幼児体型なのがコンプレックスで、るんに近づく男子をバット振り回して追い払おうとするのだが、小さいことを揶揄されるとどこからか椅子を持ってきてその上に仁王立ち、男子を睥睨する。かわいい。

 るんはなんかもう、ひとりで生きていけるのか心配なレベルのアレ。頭の中はお花畑どころか、栽培しちゃいけない類の花が咲き乱れていそうだ。そんな彼女とトオルがささいなことからケンカして、丸一日経って仲直りするという、原作をアレンジしたアニメのエピソードはすごくよかった。

 そもそもアニメは、1話の導入からしてよかったのだ。原作第1回を大幅にアレンジして、トオルがるんたち上級生3人の仲間入りを果たす話に昇華させた功績は大きい。アニメスタッフ、よくやった。

 話がそれた。ユー子はまあ、『けいおん!』の澪から男前さを引っこ抜いた感じで、しょっちゅうナギにからかわれてはビビッたり肝を冷やしたり心臓が口から飛び出そうになったりしている。けれど、とても友人想いなのだ。ちなみにケイ子というツンデレの妹がいて、ユー子が風邪を引いたときの彼女の心配ぶりと「お姉ちゃんのことなんか全然気にしてないんだからねっ」っぷりがたまらん。

 んで、俺の嫁ことナギ。やたら体重を気にするあたりは『あずまんが大王』のよみを思い出すというか、ポジション的にも重なっている。基本男言葉だったりするしさ。ちなみにメガネを取ってお下げを解くと超絶美少女になるのだが、父親の溺愛ぶりがウザいのでそうしていないらしい。もったいない。いや、メガネはかけていてほしいけど。

 ちなみに寝ている間にパジャマを脱いでしまう癖があったりするなど、巨乳でセクハラされがちなユー子とならんでちょっとしたエロ担当でもある。というか、原作ではブラくらいならけっこう描かれるんだよな。アニメではそのへんの描写は自重されてたけど。みんな腐った社会が悪いんや!

 あとは、彼女たちを取り巻く個性的な面々を適宜紹介しよう。トオルの担任である、熱血女教師の鬼頭先生。対照的にやる気のない、るんたちの担任の鎌手先生。イケメンだけどなんかキモい養護教諭の佐藤先生。そしてトオルの友達、暴走しがちなユタカと抑え役のミホ。こういう人々に囲まれて、るんたちは今日もまったりとした日常(by宮台真司)を過ごすのでありました。つづく。

 原作は2008年から『まんがタイムきららキャラット』にて連載中である。アニメ版は1クールにて完結ののち、OVAが2本作られた。これもいい出来なので、機会があったらご覧になっていただきたい。ぼくは先日、TOKYO MXではじめて観た。ビバMX。

Aチャンネル (2) (まんがタイムKRコミックス)

Aチャンネル (2) (まんがタイムKRコミックス)

Aチャンネル (3) (まんがタイムKRコミックス)

Aチャンネル (3) (まんがタイムKRコミックス)

Aチャンネル (4) (まんがタイムKRコミックス)

Aチャンネル (4) (まんがタイムKRコミックス)